今までに印象に残っている辞書はありますか?
私には心に残っている辞書があります。
少年時代の私を”ことば好き”に導いてくれた、忘れられない辞書があるんです。
それは『ことわざ辞典』。
私が小学六年生だったときのこと、当時近所の本屋さんが私にとっては一番のお気に入りのお店でした。
お店の棚は隈なく把握出来ているくらいにその本屋さんを愛していました。(笑)
そのご近所本屋さんで見つけたのが『ことわざ辞典』です。
ハンディタイプの辞典で、手のひらくらいの大きさでしたでしょうか。
それほど大きくはない本でした。
値段も大きさに比例したのか、国語辞典や英和辞典のような◯千円するわけでなく、当時の小学生がお小遣いで買える値段だったように憶えています。
辞典嫌いの人でも『ことわざ辞典』の良さは読めば分かると思います。
『ことわざ辞典』はことばを引く辞典ではなくて、私は読み物だと思っています。
『ことわざ辞典』にはことわざに対する注釈が語られています。
どうしてそのことわざが出来たかが簡単に分かるようにお話が載っているんです。
この注釈のお話がとても面白くて好きで、私はことわざを調べるためではなくて読むために購入しました。
1ページ目から最終ページまで読み切った辞典は後にも先にもこの『ことわざ辞典』だけです。
私が学生のとき、『ことわざ辞典』以外にも辞書はけっこう身近な本でした。
インターネットが普及するまでの間は、社会人になった私に取って辞書は仕事で言葉を探すのに、また漢字を確認するのに無くてはならない『ツール』でした。
でも今はどうでしょう?
私は今でも辞書を会社に持っていきます。但し持ち歩いているのは当時のような紙版の本ではなくて電子辞書です。
シャープ製電子辞書 : PW-AC110
若い年代の方々には『ネットがあれば辞書は不要では?』と思われるでしょう。
確かに会社の私用デスクには常時パソコンがネットに繋がっています。
またスマホも手元に持っています。
でもね、確実に正しい意味や言葉を調べたいときはありませんか?
私にはあるんです。
ネットは便利です。知りたい情報が嘘と現実を混ぜ合わせて、あたかも全てが現実であるかのようにネット上に存在しています。
また”うそ”を平然と”本当”のことのようにアップされていたりもしています。
間違いを間違いとして見つけられる能力があれば問題ないですが、ネットの情報を誤って憶えてしまい間違いに気づかなかったら…。
これは悲惨な結末になることが考えられますよね。
その点、辞書はことばの意味、活用や熟語などしか掲載されていません。
その言葉びついて深く調べようと思っても辞書にそんな機能は付いていません。
電子辞書も同じです。
一括検索で電子辞書に入っている全辞書から一括で検索することは可能です。
でも言葉を調べるだけです。
それ以上でも、それ以下でもありません。
出来る仕事が明確にされている。それが電子辞書の良いところだと私は思います。