「人生で一番うざい買い物」
まだ若かった頃のお話です。
学校を卒業して収入はあるけれど、何をしたいとか、お金をどう使いたいとか、そんなことが分からなかった時の話。
その当時、たぶん私はまだ心が子供だったのでしょう。
見た目もからだもおとなですが、精神や気持ちが体に追いついていなかったのだとは思います。
当時、京都駅前の地下に出来たショッピングモールに遊びに行きました。
駅前に出来たショッピングモールは新しくてきれいだったし、本屋があればそれだけでオッケーでした。
ある時、いつもは素通りするのにとある服のテナントが気になりました。
と言うのも、けっこうお客さんが入っていたからです。
後で気づいたらその日はサマーセールが始まった日だったのですね。
わたしはバーゲン初日にモールを訪れていたのでした。
何気にお店に入って、近くにいた暇そうな店員に「このポロシャツは◯◯サイズがありますか?」って聞いたのです。
でもこれが不幸の始まりでした。
と言うのも、その店員は結構なやりてだったのでしょう。
強引なセールスで販売する、弱気な男性を言葉巧みに追い詰めていって高額商品を購入させる店員だったのです。
その時は、ほんとに悔しかった。
あの後になんど後悔?反省?したか分かりません。
あれよあれよと言う間に、ローンを組んでウン十万円とするコートを購入していたのです。
やられた感、買わされた感が半端なかった。
買い物をして負けたと思ったのはあの時だけです、ほんと。
でもその時の買い物が人生の失敗としてきちんと思えたこと、教訓に出来たことはよかったのでしょう。
若くて世間を知らなかったお坊ちゃまに、人のズルさや、駆け引きなど、知らないことを教えてくれた。それだけで勉強になりましたから。
あの買い物から、警戒感がワンランクアップしました。
時には”やばい”と思う場面に出会っても、スルーしてやり過ごすことも憶えましたしね。
こんな体験は誰もが一度は通る道なのかもしれません。
たぶんみんなおとなになる前にどこかで経験をしているのかもしれません。
大小はあっても同じように買い物で失敗をしているのではないでしょうか。
失敗は誰もが経験をすることです。
成功だけする人なんていませんし、もし居てもその人はつまらない人でしょうから。
大切なのは失敗することではなくて、失敗を経験にして自分を一段高く、ステップアップが出来るかです。
失敗したあとが大切、失敗に対する火消し、そして再発防止策を考えて、それの実行です。
これが出来るようになると、もう大人ですね。
わたしの場合、気づいたときにはもうこんな中年になっていましたが笑