私はけっこう記憶がよいほうで、ちいさな頃の記憶がはっきりと頭に残っています。
「じゃ一番古い、小さな頃の記憶はなに?」って聞かれたらどうでしょう。
みなさんは思い出せるでしょうか。
記憶にはありますがタイムスタンプを押しているわけではないので、どれが一番ちいさな頃の記憶か分かりませんよね。
ちいさな頃の記憶、家の前でかけっこして遊んだ記憶。
万博で迷子になりかけた記憶。
おじさんの自動車ドアを思いっきり開けて、「もう乗せてやらん!」って怒られた記憶。
ちょっと頭の中を探すだけで、いろいろと思い出せます。
わたしの頭の中には、順不同で色んな記憶があるみたいです。
ちいさな頃の思い出がすべて順不同ではないのです。
ある程度の年齢以降はちゃんと憶えています。
「いつ」「どこで」「だれと」が分かる記憶になっています。
時期的には、たぶん保育園に入園したくらい以降の記憶でしょうか。
それ以降にあったこと、出会ったことはきちんと分かります。
人の記憶っておもしろいものですね。
逆に言えば、それ以前の保育園に入園するまでの記憶は断片的でしかありません。
いつ、どこで、誰とが明確ではありません。
唯一、はっきりと憶えているのが3歳の誕生日、ちょんと記憶に残っています。
私の3歳の誕生日に、姉と近所の幼馴染である男の子と3人で遊んでいました。
かけっこしていたのか、かくれんぼをしていたのか、家の前にある路地で遊んでいたのを憶えています。
3歳の子どもは自分の誕生日なんて知りません。
たぶん母親か、ばあちゃんにでも教えてもらったのでしょう。
その日は出会う人みんなに「きょうは誕生日やねん」と言っていたのです。
出会う人、ご近所おばちゃんとかみんなから「あら、おめでとう」っとことばをもらて喜んでいたのでした。
そして姉たちと遊んでいた時に、突然です。
姉が「誕生日やからあげるわ」っとガムを一枚くれたのでした。
自分が食べているガムの束から一枚抜いてくれたのです。
その時、うれしかったのか、楽しかったのか、はたまたガムがおいしかったのか…
残念ですが、その時の感情までは憶えていません。
でも悲しいことはなかったはず。
だってこれが悲しい記憶なら、こんなにはっきりと今でも憶えているはずがないですからね。
私のあたまの中には、もっと以前の記憶があるのかもしれません。
だけど、タイムスタンプの押されている記憶は、3歳の誕生日がもっとも古い記憶です。
「いつの出来事」と言える、いちばん幼少の記憶です。
わたしは憶えていますが、姉は憶えているでしょうか?
住む場所が離れて会う機会も激変した姉さん。
でも不思議とずっと心はつながっている気がします。
兄弟って不思議ですね。