令和2年、立春が通り過ぎた次の日は寒くて指が動きません。
寒い日はだめですね、パソコンのキーボードを叩くくらいは問題ないのですが、手書き文字を書くとなるともう大変です、指が動かないのです。
ただでさえきれいに字が書けないくせに、寒いとそりゃもう自分の字じゃないと思い込みたいくらいに汚い字になります。
嫌になりますね。
先日の寒かった日です、郵便局で住所を書いた時もへんな文字でした。
寒くて指が動きません、字のかたちや大きさが揃っていなかったのです。
指が動かないせいにしているとは言え、へんてこな文字過ぎる。
窓口に提出するのがためらわれました。
私は若い頃、あまりの字の下手さに「日ペンの美子ちゃん」で字を矯正したことがあります。
郵便局で寒さでおかしな文字で住所を書いた後で、そんなことがあったなぁと思い出しました。
「日ペンの美子ちゃん」はご存知ですか?
懐かしいですよね、でも今でも「日ペンの美子ちゃん」で通信教育をやっているいたいです。
「日ペンの美子ちゃん」は、私が若い頃に読んでいたマンガ雑誌の裏表紙に載っていたペン習字の通信講座の広告です。
いつも短いマンガが載っていて、ペン習字を習うと「きれいな文字が書ける!」そんな気にさせてくれるマンガでした。
いつもワンパターンなマンガだったのでおもしろいとは思いませんが、目立っていたのでずっと記憶にはありました。
私が社会人になって会社の先輩から文字が汚いことを指摘された時に、「日ペンの美子ちゃん」を思い出して文字練習をすることにしたのです。
「日ペンの美子ちゃん」の練習方法はどんなだと思います?
それは文字をなぞって書く、”書きかた”の練習を繰り返すのです。
きれいな見本の文字をなぞって、真似て、書きかたを練習する。
止める、はねる、線の角度とか、きれいな文字をなぞって、真似て、きれいな文字通りに何度も書いて覚えるのです。
普通の習字でも同じかもしれませんが、これが30年ちょい前の「日ペンの美子ちゃん」の文字矯正方法でした。
お手本通りの文字を真似て書けば確かにきれいな文字ではあります。
でもね、私はガマンしきれなかったのです。
これって”大リーグ養成ギブス”を付けた星飛雄馬と同じかもしれません。
無理して矯正している感が満載だったのです。
何度も文字を書くたびに”やらされている”気がして自由がありません。
「もっと自由に文字を書きたい」あのときの私はそう思いました。
そして自由を手にするために、「日ペンの美子ちゃん」の通信教育を止めにしたのです。
まぁ途中で挫折したとも、放り投げたとも言えますが。笑
でもそれによって私は文字を自由に書くフリーダムを手に入れたのでした。
最近は手書き文字を書くことが少なくなりましたが、私の文字にもこんな歴史があったのでした。