ずっと心に残っている心を暖めてくれる物語を誰でもひとつは持っているのではないでしょうか?
私がその作品を読んだのは、たぶん小学生の頃だったと思います。
学校の図書館で新美南吉の作品集を借りて読んだそのときから、私の心にずっと住みついている作品があるのです。
新美南吉さんの作品は誰もがいちどは触れたことがあると思います。
学校の国語の教科書にも物語が載っているくらいですから。
とても有名な作家さんだと思います。
代表作はやはり『ごんぎつね』ですね。
あと他にも『おぢいさんのランプ』とか『手袋を買いに』なんかが代表作です。
読んだことがあるのでは?
タイトルは思い出せなくてもあらすじを聞けば、いつかどこかで読んでいたことを思い出せるのではないでしょうか。
そんな有名な新美南吉さんのお話に『うた時計』という物語があります。
それほど長いお話ではありません。
どちらかと言えば短編です、すぐ読み終える作品です。
でも私にとってはこの作品がNo.1です。
40年以上に渡って、私の中でずっと心を暖めてくれている作品なのです。
あらすじは、街はずれで少年とおじさんが出会います。
おじさんは少年とふれあったことで、心が真っ直ぐな少年と話しているうちに自分のおこないを悔いてきます。
実家からくすねたオルゴールを少年にあずけて実家に返してもらう。
そんなお話です。
このお話の中に出てくる少年がれんくん。
そうです、清廉潔白の廉くんなのです。
汚れないこころの持ち主で悪いことをしたおとなの男性を悔いさせるまっすぐなオーラを持った少年です。
このお話の中で少年が「
当時私は小学生の子供でしたが、子供ごころに「もし自分に男の子を授かったら”廉”と名付けよう」と思ったのでした。
その思いって、年月が経過しても消えなかったんですね。
作品名の「うた時計」は忘れてしまっていましたが、新美南吉さんの作品であったことと廉という名前はおとなになってもずっと憶えていました。
一昔前であれば、私が再びこの作品に出会うことはなかったかもしれません。
でも今はインターネットがある時代です。
新美南吉さんの名前と廉という名前で検索をしたらトップで作品が見つかるのです。
ありがたい時代ですね。
そして私達夫婦に待望の男の子を授かった時に、少年時代からずっと持っていた「廉」という名前を名付けたのでした。
新美南吉さんの「うた時計」は、マイ・フェイバリットストーリー。
今でもしっかりと私を暖めてくれています。