愛知県の岡崎市。
名古屋から名鉄で30分ほど乗車したこの街はとても落ち着いたゆったりとした空気が流れていた。
京都で生まれ育った私。
今は離れて大阪で暮らしているがたまに京都に帰ることがある。
京都は四条とか河原町とか中心地でも、中心から離れた電車で移動しなければいけない街でも、京都は大阪が持っていない独特の空気感がある。
それはゆったりとした、そしてはんなりとした空気です。
私はその空気を吸い込んだ瞬間から、「あぁ京都に帰ってきたんだ」といつも思っていた。
これが京都、私のふるさとなんだと感じることが出来る。
そんな空気を京都は持っている。
岡崎はH△Gのライブで初めて訪れた。
電車を乗り継いで名鉄の東岡崎駅を降りた瞬間から、私の心がなぜかドキッとした。
街から伝わってくる空気感、その感じがまるで京都に帰ったときと同じだったのである。
人や車が無いわけではない。
車が走り、人もいる。
でも街自体が何か安心出来るような静かで落ち着いた雰囲気を醸し出していたのです。
この空気感はなぜ出ているのだろうか?
東岡崎の駅からライブハウスまで岡崎の街を歩く途中でそんなことをずっと考えていた。
すると気づいたのが、街なかに小さなお寺や神社がそこかしこに見られること。
あとでネットで調べてみると、愛知県は京都より神社仏閣の数が多いそう。
特に岡崎は名古屋についで愛知で2番めに神社仏閣が多い。
岡崎は徳川家康生誕の地ということもあり、お寺や神社は徳川家や松平家などから大きな支援を受けていた。
それで現在も建物が多く残っているらしい。
これが理由だったのだろう、仏様やお釈迦様があちらこちらから街を守ってくれていたのである。
だから街が落ち着いた空気感を醸し出している、それが私が導き出した答えです。
岡崎は街は、けして古いだけの街ではありません。
雰囲気が私にぴったりとマッチしたもはやお気に入りと言える街だが、なぜか駅からライブハウス方面には交通手段がなかった。
大抵の大きな街では電車やバスに乗車さえすれば目的地近くまで運んでくれる。
電車やバスの本数が少ないことはあっても、駅前で待ってさえいれば現地にたどり着ける。それが自分の持っている街イメージである。
田舎の地方であれば別だとは思う。でも街はそういうものである。
だが今回の岡崎はちょっと私が持つものさしでは推し量れなかった。
駅から公共バスで移動することは出来る。
しかしライブハウスは最寄りバス停から15分くらい歩かないとたどり着けないのである。
駅からライブハウスまで歩いて向かって30分くらい。バス停からだと15分くらい。ちょっとバス停からライブハウスまで遠くありません?
実際にはライブハウスが駅からシャトルバスを出しているのでこれに乗車出来れば15分くらいで移動は出来る。
でもライブハウス周辺に住んでいる人たちに毎日通勤をどうしているのだろうか?
毎日であれば駅まで30分を歩く訳がない。
バス停まで15分歩いて駅に向かうだろうか?
それとも自転車かバイクで駅に向かうだろうか?
こういう分からない時、私は自分だったらどうするかを推論して、考えて終わりにすることにしている。
私だったらまず車で移動する。
車で通勤出来ない会社であれば、駅まで自転車。そして電車に乗り継いで会社まで移動する。
雨が降っても自転車で移動する。
でも岡崎の人もそうなのだろうか?私と同じだろうか?
もし私と同じ行動する人が多ければ、岡崎は大阪と同じになってしまう!?
少しだけそんな想像をしてしまった。