私は男だ、でも学生時代には少女マンガが好きだった。
私には2つ違いの姉がいる。
その姉による影響だとは思うが少女マンガを読むのがすきだった。
もちろん男マンガも好きである。
当時は自宅に置いてあるマンガは少女マンガでも男マンガであってもどんなものでも貪欲に読んでいた。
でも好きだったのは、ほのぼのとした恋愛を綴っているような少女マンガだったように思う。
最初は姉が買ったマンガ雑誌を姉が読み終わってから読んでいた。
少女フレンドであるとか、少女コミック、あとマーガレットなんて雑誌も読んでいた記憶がある。
毎月読んでいるとお気に入りのマンガも出来てきて、姉が買ってくるマンガ本を毎月楽しみにしていたものである。
でもそのうちに姉がマンガ雑誌を買わなくなってきた。
今にして思えば、雑誌を買う以外にもお金を使うこと、お金が必要なことが増えてきたからだったのかとは思う。
毎月読んでいた少女マンガが読めなくなると困るのは自分であった。
毎回楽しみにしていた雑誌が急に読めなくなったのである。。
しばらく我慢していたがやっぱりダメ、姉が買わないなら自分でと、少女マンガを自分で買って読むようになったのである。
私が中学生のころの話だ。
中学、高校と結構少女マンガを読んでいた私が「一番好きなマンガはどれ?」と聞かれたら、真っ先に答える作品タイトルは『いらかの波』だろう。
『いらかの波』は”河あきら”さん著書のドタバタ青春コメディである。
子供のいない夫婦に引き取られた中学生の小林渡。
野生児といってよいくらいバイタリティ溢れる渡くんが周り人たちを巻き込んで起こすドタバタを描いた作品だ。
渡くんは施設という悲しい環境から小林夫妻に引き取られたのだが、悲しみを微塵も感じさせない性格で、ヒロインの江藤茜とは最後まで付き合う一歩手前のような間であったけど、その距離感でさえ羨ましくなってしまう。
それくらい登場人物がいきいきと描かれていた作品だ。
最初、「いらかの波」は何気なく雑誌で読んでいた。
何回か読み進めるうちに気に入って、途中からは雑誌を手に入れると最初に読むようになった。
単行本も発売されるのを首を長くして楽しみにしていたものだ。
机に引き出しにしまっておき、親に「勉強する」と言って机に向かっては『いらかの波』を読んだものだ。
『ウィキペディア(Wikipedia)』で確認したら連載期間が1977年から1980年。
私が13才から17才の時だった。
私の中でいろんな気持ちが交差していた多感な時期に出会った作品だからだとは思うが、四半世紀以上たった今でも作品が鮮やかに記憶に残っている。
いつまでも忘れられない、私にとっての大切なマンガである。