京都の鴨川沿い西側にある先斗町通り。
京都を離れて20年ちょっと過ぎた私にとってはこの通りを通るたびにふるさとを感じさせてくれる。
別に先斗町で育ったわけでもなし、この通りに特別な思い出があるわけでもない私ですが、不思議と京都といえばこの先斗町を思い出す。
先斗町とは京都の中心地で京都らしさをたっぷりと醸し出している通りだ。
そんな先斗町で忘年会が開催されたついでに散策してきた。
冬は日の入りが早いので夕方5時台で夜の景色が楽しめる。
祇園四条駅は地下駅である。
地下から地上に上がると目につくのはなんといっても南座であろう。
夜は黄金色に輝く南座、祇園四条駅周辺で一番大きな存在感を醸し出していた。
先斗町は細い路地道である。
細い路地の両端に飲食店を中心にたくさんのお店が密集している通りだ。
皆同じような京町家風のお店と思いながら歩いていると、通り全体の雰囲気は以前と変わりがないが各店舗は入れ替わりがあるようである。
牛カツで有名は”勝牛”や”かっぱ寿司”なんかもお店が出ている。
というか、私が今回お邪魔した”味がさね”はラーメンチェーン店の”天下一品”が経営するお店。
先斗町で元お茶屋の風情を残したまま、リーズナブルな料金で会席料理が頂けるお店である。
先斗町ではなぜ京都らしさを感じるのかを考えてみた。
ひとつは細い路地。
細くて狭い路地ではあるが、きれいに整理された路地で、ごみごみした印象がまったくない。
店と店の狭い距離感が昔ながらの建物がほんのりとした京都感を演出していると思える。
2つ目は電柱。
この路地には電柱や電線が走っていない。
たぶん地中に埋め込まれていると思うが、電柱や電線が走っていないだけでずいぶんスマートな通りに見える。
歴史を感じさせる町家風建物を引き立てているのは電柱と電線がないことは間違いない。
3つ目は赤いちょうちん。
町家風、お茶屋風建物に電飾看板は風情がない。
やっぱり似合うのは赤いちょうちんだと思う。
先斗町は四条側入り口から三条側まで普通に歩けば20分くらいの距離である。
大阪の天神橋筋商店街のような長さはないが、店どうしの間隔が狭い分、こちらのほうが見て歩くのが楽しく感じられる。
お店が掲示しているメニューをみたり、表から少しだけ見える店内を覗いたりしながら歩くと心がはずんでくる。
ただ先斗町は食事をしない人にとっては通りの雰囲気を楽しむだけになっている。
わたし的には小物類、扇子とかお箸とか、ちょっとしたお土産を買えるお店があれば観光客も楽しめるとは思う。
近くに祇園に河原町、そして錦市場があるので先斗町だけでまかなう必要はないのかもしれないがやっぱりそう思う。